津山城
(つやまじょう)
別名:鶴山城

国史跡、日本100名城(67)、日本三大平山城
場所 美作国
岡山県津山市山下
築城者 森忠政、山名氏
築城年 慶長九年(1604)、嘉吉年間(1441〜1444)
主な城主 森忠政、森長継、松平宣富、山名氏など
主な遺構 備中櫓(復元)、塀(復元)、天守台、曲輪、堀、石垣

歴史背景
 美作国の守護であった山名氏が嘉吉年間(1441〜1444)、鶴山に砦を築いたのが津山城の前身といわれている。

 その後、廃城となっていたが、慶長八年(1603)美作・津山に入封してきた森忠政が翌年から13年を費やして大城郭を完成させた。森忠政は、織田信長の家臣だった森可成の子で、長可、蘭丸の弟にあたる。兄らの死去のため森家の家督を継ぐこととなり、豊臣秀吉に仕えるようになるが、関ヶ原の戦いでは徳川家康率いる東軍に味方し、秀忠軍に従軍した。戦後の論功行賞で津山18万6500石を与えられ、信濃・川中島より移封し、美作国津山藩初代藩主となる。築城に13年を費やした津山城は、五重の天守を中心に77の櫓、41の門を擁した全国でも有数な規模を誇る実戦に備えた城であった。さらに、忠政は城下町整備にも力を入れ今日の津山市の基礎を築いた。

 元禄十年(1697)に跡継ぎ問題で森氏が改易になってしまう(隠居していた二代藩主・長継が在世していたため、森氏は備中・西江原に2万石を与えられた。のち、播磨・赤穂藩に移封)。そして、越後高田藩主だった松平光長(結城秀康の孫)の養子となっていた松平宣富(宣富自身も秀康の曾孫)が翌年(1698)、10万石の領主として入城する。以後、越前松平家一門である津山藩松平氏が明治まで城主として津山を治めた。



史跡津山城跡石碑

津山観光センターからの登城口
 
平成十七年に復元された備中櫓
 

西側から見た備中櫓

本丸から見た備中櫓

備中櫓内部

備中櫓内部

城について
 I山自体そんなに高い山ではないが山全体を要塞化した平山城で、南面には天然の堀となる吉井川が流れていて南側は特に堅固である。さらに、東面にも天然の堀である宮川が流れている。津山城では近年、備中櫓が復元されたが基本的に石垣しか残っていない。しかし、その石垣群の見事さは全国でも屈指で、往時の津山城の壮麗さが想像される。森忠政が築城したこの時期は、築城技術が頂点に達した頃で津山城は攻守両面において優れた縄張りが施されている。本丸、二の丸、三の丸を階段状に配した「一二三段」(ひふみだん)と呼ばれるこの城の縄張りは有名で、特に遠くから見ると非常に美しく雄大な姿で、その縄張りを確認することができる。


当日、行われていた鉄砲隊の射撃
 
津山城遠景
前面に流れるのは吉井川

津山城遠景
「一二三段」の縄張りを見ることができる

森忠政像
森可成の子で、長可、蘭丸の弟にあたる。
津山城を築城し、城下町の発展にも力を注いだ。

三の丸に続く枡形通路

表中門跡
三の丸から二の丸に続く石段。

石垣群と石段

二の丸と本丸を隔てる石垣

切手門跡
本丸への侵入を防ぐ門。

左手の石垣が弓櫓跡

表鉄門跡
本丸への侵入を防ぐ門。

本丸
櫓などの諸建築31棟に城主の居館などがあった。

天守台
天守台の周りは結構広く、天守曲輪が設けられていた。
この台上に、五層の天守閣がそびえ立っていた。

天守の登り階段

天守台の穴蔵部分

天守閣から備中櫓に続く通路

横から見た備中櫓

天守台から望む津山の街

大井戸の跡

本丸の櫓群跡の石垣

月見櫓跡

栗積櫓跡

長屋櫓跡

左から矢切櫓跡、太鼓櫓跡

太鼓櫓跡の鐘
毎日、十二刻を報ずる太鼓が打ち鳴らされていた。

鼓櫓跡

津山城復元図(拡大

津山城古写真(現地案内板より)
古写真を見ると大城郭だったことが分かる。
 
東方面から見た石垣群
 
 
 
城の東側を流れる宮川
 

津山城関連年表
1441〜1444年
(嘉吉年間)
美作国守護・山名氏がI山に砦を築く。
1603年(慶長八年) 森忠政が美作国津山18万6500石の領主として入封。
1604年(慶長九年) 忠政、I山に築城を開始する。
1616年(元和二年) 津山城完成する。
1697年(元禄十年) 森氏改易となり、幕府より所領を没収される。
1698年(元禄十一年) 松平宣富が10万石の領主として入城する。


津山城 周辺地図 スポンサーリンク
駐車場:
無料駐車場有り(津山観光センター駐車場約30台)
※ただし、桜祭り期間中は有料

訪問年月:2006年4月、2010年6月、2023年9月


 
津山城 御城印

御城印販売場所:津山城備中櫓内
 
日本100名城スタンプ
67津山城


スタンプ設置場所:津山城備中櫓内



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